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パラレルしか書いてません。口調・呼称が怪しいのは書き手の理解力不足です。ディランディが右。お相手はいろいろ(の予定)
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嵐が去った翌日、ニールとライルは部屋に戻って、ベッドの中にいた。
何だかんだ言って、ベッドを使用して睡眠をとるのは初めてだったため、(常に浴槽の中で寝ていた)
使い方が分からず、フリーズしていたら刹那やグラハムもフリーズして、カタギリが雪山みたいだね
とのほほんと告げた。

「ふかふかしてるんだな」
「浴槽よりはね」

ライルが、ぐーっと伸びをしながら言う。実を言うと子供の姿からいまだ戻れていないので、
今日は出社していなかった。カタギリが朝それを確認してから刹那と一緒に出社していったので、
多分文句は言われないだろう。

「昼になったらグラハムが遊びに来るって言ってたな」
「そういえば、言ってたね。なんか用意する?」
「前食べたやつがいい」
「何時だよ」

パジャマから着替え始めたニールがライルにそう話をふって、ライルが思わず突っ込んだ。
もうここで暮らし始めて何だかんだで半年は経っているのだから、食事をした回数は相当だから
ごもっともともいえることなのだが。

「白っぽい奴、シチューだっけ?」
「あぁ、うんそうシチュー」

冬の間はよく食事に出していたとライルは合点がいったらしく、材料あったかなと
冷蔵庫の中身をチェックするためにとてとてと歩いて行く。

「ライル、待って」
「ん、まだ慣れない?」
「流石に昨日の今日じゃな」
「だよな」

まだ歩くというか、「足」に慣れていないニールはライルに手をひかれながら、リビングへと向かう。
ニールがリビングを見たのはここに来た日以来なので、なんだか自分が住んでいる家という
感覚ではなかった。ライルはほとんどを浴室でニールと過ごしていたとはいえ、キッチンに行くには
リビングを通るしかないので、そうでもないらしい。少しの差が、やっぱり寂しいなとニールは思う。
人はこうして自立していくのだとそう自覚せずには居られなかった。依存してはいたいけれど。

「にんじんと、じゃがいもだろ…あとは玉ねぎは買い置きがあったし…ホワイトシチューならベーコンでもいいけど…」
「ライル?」
「兄さんが食べたいのって、アイリッシュシチューとホワイトシチューのどっち?」
「どう違うんだ?」
「材料と味付けかな?真っ白いのがいいんだったらホワイトだけど…」

ライルはぽいぽいとニールの座っているスツールの前のテーブルに材料を並べていく。
ニールは元のままの状態を見るのは初めてなので物珍しげにじゃがいもをつついていた。

「そういえば、グラハムマッシュポテトとかいうのが好きとか言ってなかったか?」
「んー?じゃぁ、アイリッシュの方にしようか、そっちの方が芋多いし」

流石にシンクには届かなかったのか、ライルは椅子のに座って、材料を切り始めた。
とんとんと規則正しい音と細かくなっていく材料を眺めながら、ニールは俺も覚えようかなと小さく呟いた。
ライルには十分聞こえる音量だったので、ライルは一旦手を止めて、ニールを隣に呼ぶと、
皮むき機をニールに手渡した。

「これでにんじんの皮剥いて?」
「どうやるんだ?」
「こう、野菜に刃を当てて引くんだ。手の皮一緒に剥かないでよ?」
「剥いたのか…」
「…うん、結構痛かった…」

ライルは切った材料を洗いつつ、ニールの手元を見る。昔からニールはこういったことは器用なので、
すぐにコツをつかんだらしく、にんじんの皮むきはあっさり終了した。そのにんじんを受け取って
細かく刻むとライルはニールに鍋を火にかけてと渡す。やはりこれも使い方を教えれば、ニールは
あっさりやってのける。ライルは自分が出社してる間も、こうして少しずつ覚えてくれていれば、
一人で残しても大丈夫かななんて考えて、でもそれだと少しさびしいなと思った。

「あとは、煮るだけ、タイマーセットしとくからお茶にしよ」
「わかった。ライルは凄いな、こんなこと毎日やってたのか」
「そうだけど、兄さんもすぐできるようになるって、カタギリが教えてくれるはずだし」
「ライルは?」
「俺、そんなにレシピ多くないから、今度一緒に本屋に買いに行こう?」

一緒に作ろうとライルはニールに笑いかけ、冷蔵庫で冷やしてあった麦茶を注いで、ソファーに座った。

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アリーと入れ違いにティエリアが上に上がってきて、話し合いは再開された。
といっても、双子とリジェネ、刹那の間ではすでに決着がついていて、
あとはティエリアが納得してくれるかどうかだけだった。
グラハムの件は置いておいてもだ。

「リジェネ、薬を使ったな」
「だって、僕はこっちの方が好きだもの、ウェーダだって、小っさい方が好みだって」
「決めつけるな、大体年相応な格好をしてこそ人格というものが、」
「二人とも、それは後でやってくれ…」

ニールがため息を吐きながら、言い合いを始めた二人を眺めた。
この教育係二人は優秀ではあるが、意見が食い違うと途端に言い合いを始めてしまう
のがたまに傷だ。

「なぁティエリア、頼むよ…あと少しでいいんだ…そしたらちゃんと帰るから…」
「僕は、殿下の好きにさせてあげたいけど、ティエリアは?」
「……私は、……お二人が約束を守るというのでしたら猶予を差し上げてもいい」
「「本当か!」」

声をハモらせ身を乗り出すニールとライルを水槽に戻しながら、ティエリアはため息を吐きつつ続けた。

「ただし、一年だけです、それ以上は認めません」
「ティエリア…ありがとう」
「……それともう一つ。私たちも一緒に住みます、貴方達だけでは心配だ」

少し目元を赤らめ、伏し目がちにそう告げるティエリアに周りの人間は「ツンがデレた」と思ったが、
そんなことを全然気にしていないニールとライルがティエリアに向かって、ありがとう大好き!といって
飛びつきティエリアは盛大な水しぶきと一緒に水槽に落ちた。
ぎゅうぎゅうと抱きついてくる二人にティエリアはほんの少し破顔して、ニヤニヤしている
リジェネをにらみつけた。

「…ニール、ライル。僕とリジェネは一旦帰ります」
「(一人称が変わっている…)」

刹那がふとそんなことを思ったが、口には出さなかった。

「え、でも…」
「このままで待ってろってことか?」
「貴方達はすっかり忘れてるみたいだから言いますけど、王族は魔法を使えるんですよ?」
「「あ」」
「薬の効果なので、その姿はどうにもできませんが、足くらいなら今の魔力で十分でしょう」
「で、でも、トライデントないし…」
「ウェーダの端末を持ってきましたから大丈夫です」

ティエリアはまるで親が子にするように二人の頭をなでる。一瞬びっくりしたのか二人は首を
竦めたが、大人しくなでられていた。
(ちなみにウェーダの端末はハロだった。ライルは会社に置いてきていたはずだが、どうやら二人は会社にも
 不法侵入したらしい。ハロはカタギリがスメラギから追跡機能をオフにした状態で渡されたものだったらしい)

「それと、グラハムとか言いましたか、契約は我々が戻ってからにしていただきたい」
「(ティエリア……)」
「(マジになってる…)」
「刹那・F・セイエイ!」

ティエリアが刹那の名前を呼び、刹那は顔をあげた。何故フルネームを知っているのだろうかと
刹那は一瞬戸惑ったが、よくよく考えれば表札はフルネームで書いていた。もし、それを見たのなら
納得もいく。

「くれぐれも二人を頼む。そこの金髪はどうにも私には理解ができない」
「わかった。…グラハムの件には同意する」

妙な息の合い方をしたティエリアと刹那はがっちりと握手をすると、
刹那は、勢いをつけてティエリアを水槽から引っ張り出す。

「リジェネ、帰るぞ」
「はいはい、わかったよティエリア。じゃ両殿下、また今度」

二人はニールとライルに手を振って、部屋を後にした。後にはニールとライルのほかに刹那、グラハム、カタギリが残された。

「ねぇ、せっちゃん」
「刹那だ」
「うん、わかったせっちゃん」
「……」

リジェネが直すつもりがないらしいと悟った刹那は無言で先を促した。

「そのアリーってひとさ、ところがぎっちょんとか言いだしたりしない?」
「するが…知り合いか?」
「……ヨハンさんじゃなかったのか?これ作ってたの…」
「トリニティ兄妹はあそこで修業しているだけだ」
「……うわぁ、会わなくてよかった…」

ライルが肺に残った息を全部吐き出す勢いでため息を吐く。それにニールが凄い勢いで頷いて、
リジェネが苦笑いをしていた。

「凄い嫌われようだな」
「嫌ってるって言うか、アリーはこの二人の親戚なんだよ」
「…あれも人魚だったのか…」
「ううん、二人の親、つまり陛下の義兄弟なんだ。なんていうの?血のつながりはない盃を交わすってやつの」

それは親戚とは言わないと刹那は思ったが、口に出すとややこしくなりそうなので言わなかった。

「小さいころよく父さんに連れられて居酒屋?連れてかれてセクハラされまくったんだよ」
「アリーはくすぐってるだけって言ってんだけど、なんか触り方やらしーし」
「酒が入るとあいつは誰でもお構いなしだ」

刹那がそういうと二人はふーんと言ってケーキに手を伸ばした。苦手な人間が作ったものでも食べるらしい。
そう考えていると、二人は食べ物に罪はないと言って冷たく冷えたシャルロットに身もだえている。
どうやら今回もお気に召したらしい。前回と違って、食べ方も丁寧になっていて、手づかみだからかと冷静に
分析した。

「なら、アリーもお前たちが人魚だと知っているのか」
「知ってる」
「…と思う」
「曖昧だな」
「14すぎたあたりから会ってないし、アリーも覚えてないと思う」

二つ目に手を伸ばした二人によく食べるなと思いつつ刹那はもう少しで空になるジュースをすすった。

「姫!契約書を持ってきた」
「グラハム…気が早いよ…」
「よう、ガキ感想聞かせろよ」

突如入ってきたグラハム達の大声にびっくりしたのか、刹那を除く三人はびくりと背筋を伸ばし、
ぎぎぎとまるで油をさしていない機械人形のような動きで入り口を見た。

「「アリーだ…」」
「あー?」

びくりと二人は身を寄せ合い、固まる。すると何か面白いものを見つけたとでも言うように、アリーが寄ってきた。

「なんだぁ?人魚は15年たっても外見変わんねぇのか?ちったぁ好みな感じに成長してると思ったんだがな」
「お…覚えて…」
「覚えてない方が良かったかぁ?」
「アリー」
「くくっ、手なんてださねぇよ、あいつに何言われるか」

咎める口調の刹那に、アリーは笑っただけで、二人に伸ばした手をひっこめた。

「どうだったよ、感想聞かせろや」
「…ぉぃしかった…」
「ぅん」
「そりゃ、何よりだな。それ聴きに来ただけだ、そんなに怯えなくても帰るさ」

アリーはホントにそれだけだったらしく、ひらひらと手をふってグラハムの隣をすり抜け下に降りて行った。

「ア、アリー!」
「また行くから!お店」
「おーおー、好きにしろー」

いい加減な返事が返ってきて、あとは階段を下りる音だけが響き、しばらくしてそれもなくなった。

結局決着はつかず、一旦昼食でもとろうよといつの間にか外に出て戻ってきたカタギリが
コンビニ袋を広げていた。なんというか、殆どゼリーと飲み物ばっかりだったため、刹那は
下に降りて、昼食に買ってきていたパンを取ってきてかじっている。
グラハムは午後から仕事らしくしぶしぶ出かけていき、ティエリアは頭痛がすると言って
ライルの部屋のベッドで横になっていて、この場所には刹那とニール、ライルとリジェネ
だけになっていた。カタギリもまた出かけてしまっている。

「あ、せっちゃんだっけ?さっきの瓶返してよ。一時休戦でしょ」
「刹那だ。中身がわからないものは返せない」
「別に害のあるものじゃないよ?」

ウィダーインゼリーを吸いながら、リジェネが刹那に手を差し出す。

「じゃぁなんだ」
「実際試した方が早いよ、水槽投げ込んでー」

刹那はニールとライルが全然反応しないので危険物ではなさそうだと判断して、リジェネが言った通り
その瓶の蓋をあけて水槽に放り投げた。

「「あ」」
「どうした?」
「刹那いれちゃった」
「あちゃー…」

どうやら入れてはいけなかったらしい。騙したなとリジェネの方を向くがリジェネは素知らぬ顔だ。
仕方なく水槽に眼を向けると二人の姿がない。どこに行ったのだろうと覗き込めば、水の中の
こどもと眼があった。

「!?」
「ほら、かーわいいでしょ殿下」

ぷはっと水中から顔を出したのはニールとライルの面影がどことなく残る子供。(ただし人魚)
手にはまだ半分くらい薬?の残った瓶が握られていた。

「りじぇー、これ強すぎ…スメラギと何交換したんだよ」
「僕秘蔵の日本酒」
「スメラギ酒好きだしなー」

小瓶を受け取りながらリジェネはでれでれと双子の子供を眺めている。

「ニールとライルか?」
「「そうだけど?」」
「お前たち29歳だろう」
「これは薬のせい」
「さっきまでの姿じゃ、りじぇとてぃえじゃ運べないし」

どうも喋り方まで幼くなっている。むらっときたのは気のせいにしようと刹那は心の中で
ガンダムの名前を片っ端から唱えた。

「僕は殿下達がここにいたいって言うんならいてもいいと思うけどね」
「「ほんと?」」
「うん、でも期限付きかな。じゃないと僕がティエリアにフルボッコにされるよ」

けらけら笑うリジェネに双子も笑う。ライルの様子をじっと観察していた刹那はライルのもやもや
はもう晴れているようだとホッと息を吐いた。ライルの心詰まりが「自分が人間ではないから」
だったとしたら、人間でなくても平気だといった刹那に安心したんだろう。
嫌われたくないと思われているのは嬉しいことだと刹那は思う。それが恋愛感情かどうかは別として。

「先は長いか…」
「そういえば、ライルは純潔は誰にあげちゃったの?」
「……」

刹那が決意を新たにしたとたんタイミングを合わせたようにリジェネがニヤニヤしながらライルに聞いた。
ライルは一瞬にして真っ赤になり水の中にもぐってしまう。しばらくは上がってきそうにない。

「なんでそんなことを聞いた?」
「んー?だって、ライル色っぽくなってたし?」
「……」
「ライル食ったのは刹那だ」
「そうなんだー」

ニールがむすっとしながらリジェネに告げる。刹那はぶはっとパックジュースを噴き出した。

「ライルの純潔は俺ので俺の純潔はライルのだったのに」
「…性交渉の意味を知らないのにか」
「人間のは知らなくても人魚同士でどうするかは知ってる」
「ニールはもうライルにあげちゃってるんだったよね、ティエリアには内緒にしてるけど」

リジェネはけらけら笑いながらどうせ君たちに人魚同士の仕方教えちゃったのサメの双子でしょうと
言う。本来王族は知らないはずなのだから。

「だって怪我なおした御礼って言ってくんだぜ」
「サメには襲われないのか」
「あぁ、サメって言ってもね、サメに近い人魚って話。ひれがね」

人革連のあたりにいたんだけど、ニールとライルにすっかりなついて今は王都で暮らしてるよーと
リジェネは言う。ティエリアと違ってリジェネは楽観主義者のようだ。よく笑っている。
しばらくそうしていると寂しくなったのかライルが上がってきた。刹那はライルで思い出したのか、
待っていろと言って下に降りて戻ってきた。

「今度はイチゴのシャルロットだそうだ」
「うわ、凄いねこれ」
「アリーは器用だからな、人間としては破綻しているが」

刹那がそういった瞬間空気が凍った。

ここだと人が来ると言って、カタギリが非常階段の鍵を開けた。どうやら結局通報されたらしい。
管理人からカタギリに連絡があって、カタギリは予定を早めてマンションに来たのだった。
グラハムと刹那がそれぞれニールとライルを横抱きに抱えて、その後ろをティエリアとリジェネが大人しく付いてくる。
誰も廊下にいないのを確認してそっと階段をのぼり、温室の奥の水槽に二人をそっとおろす。
しばらくして、来た巡査とはカタギリが話をつけたらしく、早々に切り上げていった。

「説明してもらえるかな」
「我々は、この二人の教育係のようなものだ」
「…紅茶を知らなかったのは彼らのせいか?ライル」
「あー…っていうか海の中に存在しないし、紅茶」

それもそうかと刹那は納得したらしい。声が出るということに少し違和感を感じているのか、
ライルはぱちゃぱちゃと尾びれで水面をたたきながら刹那を見上げた。
いつもの癖なのか、水槽にはシーツが浮いていて、双子の下半身はほとんど見えない。
下半身を見なければほとんど人と変わりないのだ、見た目は。だからいつもシーツがあったのかと
グラハムは浮かぶシーツを眺めつつ呟いた。

「先ほども訪ねたのだが、家出とは本当か?」
「家出っていうか…駆け落ち?」
「駆け落ち…」
「陸の上でもそうだとは思わなかったんだよな…兄弟間での恋愛の禁止」
「だから足もらって逃げてきたってわけだ。伝説の人魚姫みたいにさ」

なーと声をダブらせる双子に教育係の約一名は頭痛がするのか、頭を抑え込む。

「どの道殿下たちは一生一緒にいなきゃなんないんだから逃げなくてもよかったのに」
「…でも、ウェーダに適性があるのは兄さんだけだった」
「ウェーダ?」
「あぁ、なんていうのかな、人魚って2パターンあるんだよ」

リジェネが、どこからか持ってきたクリップボードにはかわいらしい絵が書いてあった。下の方に
「くりす&ふぇると」と名がある。

「殿下達みたいに自然発生や番同士の交わりによって生まれる人魚とウェーダっていう
スパコンみたいなので作られた僕らみたいな人工的な人魚の二種類」
「ウェーダを操作できるのは王族でも限られてる、適性が見つかったのは兄さんだった」
「でも、あのあとウェーダがライルも大丈夫って言ってきてさ、ライルも適性あるみたいだよ?」

リジェネがニコニコしながら二人を見下ろしている、ティエリアと違ってリジェネはたまに何を考えているのか
わからないこともある。まぁ、あとで聞くとそういう時は何も考えていなのらしいのだが。

「兎に角、早急に国に戻ってください」

邪魔が入ってイライラしているのかティエリアはきつい口調で言う。

「陛下が崩御されたら国を継がなきゃならないんですよ、貴方達が!」
「う」
「そう…だけど…」

二人がしゅんと頭を垂れるなか、グラハムが突然挙手した。

「な、なんですか」
「私はグラハム・エーカーという。俗に言う音楽プロデューサーだ」
「…だからなんですか」
「私は、二人の声を気にいった、ぜひともCDデビューさせたいのだがいかがかな」

グラハムのKY発言に周囲は凍りついた。
きらきら輝くグラハムの瞳に若干おされぎみのティエリアはふいっとリジェネの方に
助けを求める視線をよこしたが、リジェネは完全に放心していた。

「歌…殿下の…」
「(駄目だ、リジェネは二人の歌が好きだった…)」
「俺からもいいか」
「まだ何か」
「ライルは俺の部下だ、勝手に連れ帰られては困る」
「刹那…」

刹那の言葉に感動したのかライルは小さく刹那を呼ぶ。一見すると二人の世界だが、
微妙なとこですれ違ってるなぁと完全に傍観者に徹していたカタギリは思った。

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