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パラレルしか書いてません。口調・呼称が怪しいのは書き手の理解力不足です。ディランディが右。お相手はいろいろ(の予定)
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結局決着はつかず、一旦昼食でもとろうよといつの間にか外に出て戻ってきたカタギリが
コンビニ袋を広げていた。なんというか、殆どゼリーと飲み物ばっかりだったため、刹那は
下に降りて、昼食に買ってきていたパンを取ってきてかじっている。
グラハムは午後から仕事らしくしぶしぶ出かけていき、ティエリアは頭痛がすると言って
ライルの部屋のベッドで横になっていて、この場所には刹那とニール、ライルとリジェネ
だけになっていた。カタギリもまた出かけてしまっている。

「あ、せっちゃんだっけ?さっきの瓶返してよ。一時休戦でしょ」
「刹那だ。中身がわからないものは返せない」
「別に害のあるものじゃないよ?」

ウィダーインゼリーを吸いながら、リジェネが刹那に手を差し出す。

「じゃぁなんだ」
「実際試した方が早いよ、水槽投げ込んでー」

刹那はニールとライルが全然反応しないので危険物ではなさそうだと判断して、リジェネが言った通り
その瓶の蓋をあけて水槽に放り投げた。

「「あ」」
「どうした?」
「刹那いれちゃった」
「あちゃー…」

どうやら入れてはいけなかったらしい。騙したなとリジェネの方を向くがリジェネは素知らぬ顔だ。
仕方なく水槽に眼を向けると二人の姿がない。どこに行ったのだろうと覗き込めば、水の中の
こどもと眼があった。

「!?」
「ほら、かーわいいでしょ殿下」

ぷはっと水中から顔を出したのはニールとライルの面影がどことなく残る子供。(ただし人魚)
手にはまだ半分くらい薬?の残った瓶が握られていた。

「りじぇー、これ強すぎ…スメラギと何交換したんだよ」
「僕秘蔵の日本酒」
「スメラギ酒好きだしなー」

小瓶を受け取りながらリジェネはでれでれと双子の子供を眺めている。

「ニールとライルか?」
「「そうだけど?」」
「お前たち29歳だろう」
「これは薬のせい」
「さっきまでの姿じゃ、りじぇとてぃえじゃ運べないし」

どうも喋り方まで幼くなっている。むらっときたのは気のせいにしようと刹那は心の中で
ガンダムの名前を片っ端から唱えた。

「僕は殿下達がここにいたいって言うんならいてもいいと思うけどね」
「「ほんと?」」
「うん、でも期限付きかな。じゃないと僕がティエリアにフルボッコにされるよ」

けらけら笑うリジェネに双子も笑う。ライルの様子をじっと観察していた刹那はライルのもやもや
はもう晴れているようだとホッと息を吐いた。ライルの心詰まりが「自分が人間ではないから」
だったとしたら、人間でなくても平気だといった刹那に安心したんだろう。
嫌われたくないと思われているのは嬉しいことだと刹那は思う。それが恋愛感情かどうかは別として。

「先は長いか…」
「そういえば、ライルは純潔は誰にあげちゃったの?」
「……」

刹那が決意を新たにしたとたんタイミングを合わせたようにリジェネがニヤニヤしながらライルに聞いた。
ライルは一瞬にして真っ赤になり水の中にもぐってしまう。しばらくは上がってきそうにない。

「なんでそんなことを聞いた?」
「んー?だって、ライル色っぽくなってたし?」
「……」
「ライル食ったのは刹那だ」
「そうなんだー」

ニールがむすっとしながらリジェネに告げる。刹那はぶはっとパックジュースを噴き出した。

「ライルの純潔は俺ので俺の純潔はライルのだったのに」
「…性交渉の意味を知らないのにか」
「人間のは知らなくても人魚同士でどうするかは知ってる」
「ニールはもうライルにあげちゃってるんだったよね、ティエリアには内緒にしてるけど」

リジェネはけらけら笑いながらどうせ君たちに人魚同士の仕方教えちゃったのサメの双子でしょうと
言う。本来王族は知らないはずなのだから。

「だって怪我なおした御礼って言ってくんだぜ」
「サメには襲われないのか」
「あぁ、サメって言ってもね、サメに近い人魚って話。ひれがね」

人革連のあたりにいたんだけど、ニールとライルにすっかりなついて今は王都で暮らしてるよーと
リジェネは言う。ティエリアと違ってリジェネは楽観主義者のようだ。よく笑っている。
しばらくそうしていると寂しくなったのかライルが上がってきた。刹那はライルで思い出したのか、
待っていろと言って下に降りて戻ってきた。

「今度はイチゴのシャルロットだそうだ」
「うわ、凄いねこれ」
「アリーは器用だからな、人間としては破綻しているが」

刹那がそういった瞬間空気が凍った。

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