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パラレルしか書いてません。口調・呼称が怪しいのは書き手の理解力不足です。ディランディが右。お相手はいろいろ(の予定)
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イルカのショーも何時もよりイルカが高く跳んだりだとかして観客は大いに盛り上がっていた。
ライルも楽しそうに笑っていて、三人はホッとしていた。
唯一ひやっとしたのはイルカがライルを見つけて嬉しいとでも言うように水槽から客席に向かって
飛び出してきそうになった時だ。まぁ、そう解釈したのはカタギリだけだったのだが。
実際それは正解だったりする。

「実に素晴らしかった」
『イルカもグラハムに褒められて喜んでるよ』
「それはありがたい」

イルカに触れるためにゴムボートに乗った4人は飼育員の先導の元、集まってきたイルカの
口のあたりをなでる。きゅーきゅーと鳴くイルカは飼育員の合図もなしに芸を見せライルを
笑わせようとしているようだった。

「この子たちがこんなに機嫌がいい日も珍しいんですよ」

飼育員がそう言い、カタギリは今日は特別だろうと心の中で突っ込む。
イルカの鳴き声にライルがまるで歌うように口を開いた。すると突如ゴムボートの空気が抜け出す。

「うぉ!?」
「え、ちょ」
「つかまれ!」
『?』

身を乗り出していたライルが一番に水槽の中に落ちかけそれを何とか刹那が支えようとするが、
沈んでいくゴムボートに乗せても意味はあまりない。
するとイルカのうち何頭かが、ゴムボートを陸に寄せるように支えて泳ぎ出した。
が、うち一頭が、ライルの服の袖をつかんでボートから落っことした。

「ライル!」
「カタギリ、これを」
「ちょ、グラハム勝手に潜ったら怒られるって!刹那君も」

飛び込んでライルの元へ向かおうとする二人を引きとめ、飼育員にライルのことを頼む。
飼育員はシュノーケルをつけ、ライルの沈んだ底の方へもぐる。
そこで飼育員が目撃したのは、何事もなかったようにイルカと戯れているライルで、
しかもそれは下の水槽を見ていた一般客にも目撃されていた。
慌てて、飼育員がライルに身ぶり手ぶりで上に上がるように言うと、ライルは水槽の外の人
に気づいたのか、とんと軽く床を蹴って、飼育員と上に上がっていった。

「大丈夫か!?」
『平気だけど?』
「それならいいが…」
「危険なことは控えたまえ、姫にも心配をかけてしまうだろう」
『なんで?兄さん別に怒んないと思うけどなぁ…』

水槽の外に引っ張り出されながら、ライルはそう言い、刹那とグラハムにバスタオルでもみくちゃにされながら、
きゅーきゅーとなくイルカに笑いかけていた。
この時のライルはすっかり忘れていたのである。このイルカの水槽が一部外海と繋がっていることに。
自分たちが、海から遠ざかり、わざわざ内陸寄りに居を構えた理由を。

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