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パラレルしか書いてません。口調・呼称が怪しいのは書き手の理解力不足です。ディランディが右。お相手はいろいろ(の予定)
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ザッハトルテを片手に浴室にやってきたライルを見てニールはぎょっとした。
体中に赤くなにかで刺されたようなあとが点々とあって、まるで機嫌の悪い時の
クラゲにちょっかい出した時みたいになっていたからだ。
しかし、それ以外何時もと大して変りはなく、ライルはニールにケーキを差し出して、
いつものようにジーンズのままバスタブに潜り込んでくる。
で、やはりいつものように首筋に頭をこすりつけてくるライルの頭髪からは
いつも使っているものとは違うシトラスの香りがした。

「ライル、お前そのあとどうした?」
『刹那がした』
「は?クラゲじゃなくてか?」
『クラゲなんていないよ兄さん』

きょとんとしつつ見上げてくる弟はいつもと何処か違う。正直に言うのであれば、
色気が増している、といったところだ。スメラギがよく色気のある格好をしていたが、
それとはまた違ったような色気だった。

「お隣さんに何された?」
『わかんね、なんかどろどろして、真っ白になった。思考が』
「ふーん。で、お隣さんはどうやってそんな跡つけたんだ?」
『えーっと』

ニールが聞くとライルはちゅうとニールの鎖骨の辺りに吸いついた。刹那がつけたものよりも
薄いが、それっぽいものはなんとなくついて、ライルはニールに鏡を見せた。

「人間ってへんだな」
『なー』

二人でそんなことを言い合っていると不意にバスタブ横に置いてある携帯端末から音がした。
二人は一瞬びっくりして背筋を伸ばすも、この場所にある端末に連絡をよこしてくるのは
カタギリしかいないので、ニールがそれを取って通話ボタンを押す。

「なんか用かー?」
「そんなところだよ。前に浴室で映画が見れるプロジェクターが欲しいっていってただろう?」
「あー、そんなことも言ってたな」

ちなみにそういったのはライルで、そんなことを言い出したのはグラハムとカタギリ、刹那とライルの
4人で町の探索もといライルを町になじませようというグラハムの言葉がきっかけで行った
映画館をライルがいたく気に入ったからだった。まぁ、最終的には兄さんと一緒に見たかったと
つぶやくライルにカタギリが苦笑いしながら提案したのが決定打となったのだが。

「とりあえずDVDはこちらでいろいろ揃えてみたから、今から行っても大丈夫かい?」
「あぁ、平気だぜ。ライルがお隣さんからケーキ貰ってるから一緒に食おう」
『でも、カタギリはドーナツの方がいいんじゃないか?買い置きあるけど』
「ドーナツも出せばいいだろ?」

それもそうか、とライルはうなづいて、一旦バスタブから上がる。カタギリ用のカップと、
ドーナツを取りに行かなければならないからだ。水の滴るジーンズを脱いで、洗濯機に放り込む。
ライルは腰にタオルを巻いて、ぺたぺたとリビングの方へ姿を消した。

「それじゃぁあとで」

そういって切れた端末をチェストの上に置いた。ちゃぷんと水の音がする。
久々に広い所で泳ぎたいなとバスタブの中でぐっと伸びをして、ライルの帰りを待った。

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