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パラレルしか書いてません。口調・呼称が怪しいのは書き手の理解力不足です。ディランディが右。お相手はいろいろ(の予定)
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刹那がはっきりと意識を覚醒させた時にはライルの姿は見当たらなかった。
最初に視界に入ったのは白い天井で、次に見たのは心配そうにこちらを覗き込む
医師と看護婦だった。

「ここは…」
「あの現場近くの病院です」
「…連れは、どうなりましたか?」

ライルのことを刹那が聞くと看護婦がほほ笑んで、今呼んできますねと席を立った。
どうやら無事のようだ、と刹那はホッと息を吐く。

「…本当に奇跡のようですよ」
「……?」
「あの現場で、事故に巻き込まれて重体者の中から意識が戻ったのは貴方だけなんです」

若い医師はよほど悔しいのかふにゃりと顔を崩して自嘲した。
事故に巻き込まれた他の重体者はいまだ意識が戻らず、戻ったとしても後遺症が残るだろう、
と医師は言う。現場のほぼ中央にいた刹那は絶望的だろうといわれていたらしい。
だが、誰よりも助からないとされていた者が目覚め、病院内は少し混乱が収まったそうだ。

「セイエイさん」

入り口で名前を呼ばれ、刹那が其方に顔を向ければ、眼を真っ赤に腫らしたライルが立っていた。

「ライル」

刹那が名を呼べば、刹那と口が動いて、ライルが勢いよく飛び着いてきた。

「っ」
「ディランディさん、セイエイさんはまだ安静にしてないといけないんですよ」

仕方ないとでも言うように看護婦が苦笑する。ライルはその言葉にハッとして、刹那から離れた。
恥ずかしかったらしく、顔は真っ赤になっていて、はにかんでいるように見え、
刹那は血圧が上がりそうだと思った。力が抜けて、ぼふりとベッドに沈むとライルが眼に見えて
おろおろし出す。そんなライルを医者が諫めて、ようやく落ち着いたらしい彼に声をかけた。

「お前は大丈夫だったか?」

すごい勢いで首を縦にふるライルに、医師も看護婦ほほえましいと思ったのか、くすくすと
笑いをこらえている。

『刹那は痛いのもうないか?』
「あぁ、おそらく後は検査をすれば退院できる」
『よかった…』

ホッと息を吐くライルが、腕を動かすたびに少し表情がひきつっているのを見て、刹那は
ライルの左腕を見ると、白い肌よりもさらに白い包帯がぐるぐると巻かれている。

「それは、どうした」
『や、流石にまったくの無傷ってわけじゃなかったからな…』
「そうか、痛むか?」
『全然』

ライルがそういったとき一瞬医師が険しい顔をしたのを刹那は見逃さなかった。
だが、ここで追求してもライルがこの部屋にいる限り医師はそれを話さないだろう。

『さっきカタギリからメールが来てあと少ししたら迎えに来るって言われた』
「そうか、気をつけて帰れ」
『うん』

ライルが返事をしたのとカタギリが部屋に入ってくるのはほぼ同時で、ライルはカタギリに
つれられるまま刹那の病室を後にした。刹那はそれを見送って、説明をするために残ったであろう
医師の方を向き直る。看護婦はすでに退室していた。

「ライルの腕は?」
「重傷とまではいきませんが、軽傷でもないですね、10センチぐらい骨が見えるまで抉れていましたから」
「退院しても平気なのか」
「正直なところ帰さずに経過を見た方がいいんですが、別にかかりつけがあるから、と」

医師はかかりつけがあるならば其方の方がいいだろうと判断したらしい。
刹那は微妙に納得がいかなかったが、襲ってくる睡魔には勝てず、ゆっくりと眼を閉じた。

そういえば、ライルが喋ったように思えたと意識が落ちる寸前刹那は口に出さず呟いた。

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